【比較】USCPA(米国公認会計士)vs ACCA(英国勅許公認会計士) 2つの違いは?

ACCA試験対策

よくある質問として、米国公認会計士(USCPA)と英国勅許公認会計士(ACCA)は何が違うのか?どちらが格が高いのか?どちらの方が難しいのか?ということを聞かれます。

こちらでは日本でも比較的有名なUSCPA(米国公認会計士)とACCA(英国勅許公認会計士の違いについて解説します。

1.試験自体の難易度

一概に比較することは難しいですが、USCPAは4科目で合格最低点は75点、ACCAは13科目で合格最低点は50点となっていますので、自分の得意不得意によってそれぞれの難易度は変わってくるように思います。

ACCA側では、USCPA4科目合格⇒ACCA7科目合格と見なされることと、ACCAの最終4科目は論述(ビジネスライティング)+計算が必要な形式であることから、社会人経験の浅い学生にとってはACCAの方が難しく、逆に社会人とってはACCAの方が馴染みやすいという側面があると言えるでしょう。

2.受験のしやすさ

USCPAは受験の要件が比較的厳しいです。それに対してACCAの受験資格は相対的に緩いです。例えばUSCPAの場合は、最低でも4年制大学の学位と一定数以上の会計学の単位が求められますが、ACCAはこのような要求はありません。USCPAの場合は、人によっては資格受験の前に受験要件を満たすために日本の予備校を経由してアメリカの大学の単位を取得する必要があるなど、受験前の時間と費用(お金)を費やす必要があるケースがある点は大きな違いと言えるでしょう。

ACCAは毎年3、6、9、12月に試験が行われ科目ごとに日時が指定されています。2020年以前は試験センターに出向く必要があり、加えて追加の試験代が必要でしたが、最近でもオンライン試験の導入が進んでおり、科目によっては自宅でかつ日本時間の日中でも(これは2022年後半から)受験が可能となっています。USCPAの方が受験のハードルは低い(日程調整しやすい)点はありますが、受験場所と時間を考慮すると、どちらもメリデメありという印象です(ちなみにUSCPAについては、受験日の選択は柔軟で、土日を含めほぼ1年中開催されているのが大きなメリットと思います)。

3.ライセンスの授与

会計士として名乗り、実務を行っていく上では、USCPAもACCAも正会員として認められる必要があります。具体的にはUSCPAの場合は州によってライセンスのための単位数が異なり(マイナーな州ほど緩い)、これに加えて1年間の実務経験が必要です。

一方ACCAの場合は13科目合格に加えて、倫理試験の合格と36か月の関連業務経験が必要となります。有資格者からのサイン(推薦)が必要なのは、USCPAもACCAも大差ないと考えて差し支えないでしょう。

4.ライセンスの相互認証(互換性)

USCPAを保持している場合は、ACCAのKnowledge Module3科目とFinancial Reporting(FR)を除くSkills Module5科目の計8科目が免除となります。具体的には以下の科目が免除対象です(Strategic Professionalの科目免除はありません)。

一方でACCAを保持していても、USCPAに直接コンバージョンすること(相互認証)は認められていません。

.国際的な認知度と適用範囲

他にも適用される会計基準(USCPAはUSGAAPが試験対象なのに対して、ACCAは主にIFRSが対象)や、使える国数の違いなどもあります。

ちなみに、ACCAはイギリスを拠点とする国際的な会計士資格であり、世界中で認知されています。ACCAの資格を持つことで、国際的なキャリアの機会が広がります。一方、USCPAはアメリカの公認会計士資格であり、米国の会計および監査の法的要件に準拠するために必要です。USCPAは、米国での会計業務や監査に特化した資格です。

.試験構成と内容

ACCAの試験は、13の専門科目から構成されており、幅広い会計分野にわたる知識をカバーしています。ACCA試験は、基礎レベル(Applied Knowledge)、中間レベル(Applied Skills)、上級レベル(Strategic Professional)の3つのレベルに分かれています。一方、USCPA試験は、4つのセクション(Auditing and Attestation、Business Environment and Concepts、Financial Accounting and Reporting、Regulation)で構成されており、主に米国の会計および監査に焦点を当てています。

いずれにしましても、USCPAとACCAはそれぞれメリデメがあり、双方の資格ともに試験合格後も継続的な学習が求められること、一定のレベルに達しないと合格できないこと、特に英語で一定の専門性が認められるという点においてはどちらも価値が認められます。

USCPAは短期勝負の学生向け、ACCAはコツコツ積み上げ、実務運用力を磨きたい社会人に相対的には向いていると言えるかと思います。世界的には(特に日本)国際会計基準(IFRS)に基準が収斂されていっており、USGAAPもIFRSを無視できない状況になっていること、一方でUSCPAの知名度の高さや登録者数の多さ、米国での勤務希望有無などを総合的に勘案して選択されると良いのではないでしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました