ロンドン大学の会計学修士号(Master)を取得する

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ここ最近、入り口を大きく急拡大しており、海外の会計士ライセンスをお持ちの方には朗報が続いているロンドン大学のMSc(professional Accountancy)ですが、対象や取得できる修士号についてきちんと理解しておきましょう。

大事なのは、①対象となる会計士資格は何なのか、②費用はどの程度か、③本当に使える修士号なのか、というこの3点になります。

①対象となる会計士資格は

まず、対象となる各国の会計士協会ですが、代表的なものは一番上のACCAです。これはこのルートができた当時からの対象で草分け的な位置づけです。ごくごく少数ではありましたが、このルートを目指してACCAを受験していた日本人の方もいらっしゃいます。

最近注目が上がったのが2行目のAICPAです。これはいわゆるUSCPAなので日本人の既存ホルダーも多数いらっしゃいますし、ACCAと比べると相対的に合格までの期間が断然短いため(試験の難易度もACCAの後半科目よりも比較的容易である点に加え、試験数がACCA14科目に対して、USCPAは4科目と圧倒的に少ないことがその背景として考えられます)、修士号まで見越して考えると、かなりの時間的メリットがあると言えます。

<University of Londonのホームページより抜粋>

オーストラリアやカナダなどACCAが提携している国々は軒並み対象となっており、中国も対象ですが、日本の会計士は残念ながら対象とはなっておりません。おそらく英語で受験できないことが大きなハードルになっているのではないかと推察します。

②費用

費用については残念ながら年々上がっています。

2023年度の費用は以下のようになっており、これ以降も毎年5%がインフレで上がっていく想定である旨がホームページ上でも言及されています。

なお、日本はBandBの国に該当し、更に2021年からは日本の消費税が加算されることになっていますので、現在の為替相場を考えますと、トータルで約100万円かかる計算となります。少し前までは70万円程度で取得できましたので、日本人にとってはやや痛手と言えます。

ちなみにフルコースを一括で払っても、コースごとに分割で払ってもトータルの金額は同じです(笑)

2023年現在ですと、まとめてアップフロントで支払うこともできるそうなので、毎年のインフレが嫌な場合や早めにお金を払って背水の陣で受けたい方は、先に払ってしまうという考え方もあるかとは思います(ただ、為替がここ10年ではだいぶ円安水準にあるので、今払うのが得策かは分かりません)。

<University of Londonのホームページより抜粋>

③本当に使える修士号なのか

ロンドン大学が提供するレベル7(イギリス国内で修士として認定されるレベル)の正真正銘の修士号になります。プログラム自体も毎年世界ランキングでもトップ10にノミネートされているUCL(University college London)が提供しており、そのレベルは間違いありません。逆に言うと、簡単には合格できません。小論文のスコアもかなりシビアに採点されますし、ましてや他の記事の引用など、相当に厳しいです(AIと人の手と両方でチェックされ、違反があると即落第します)。なめてかかると痛いことになりますので、しっかり覚悟を持って取り組む必要があります。特にUSCPAホルダーの方で、英語の記述や論文に不慣れな方は要注意です。

以上、ロンドン大学で会計学の修士号の取得で皆さんが最も知りたいであろう情報をレポートいたしましたが、いずれにしましても100万円程度で(時間と努力はもちろん必要ですが)修士号にチャレンジできるのは人によってはかなりのメリットかと思います。ACCAやUSCPAを目指す一つのモチベーションになると思いますので、ぜひ検討されてみてはいかがでしょうか。

余談

なお、当該修士号では日本の会計士試験の科目免除は取れないものと思われますので、最終的に日本の会計士まで視野に入れられている方は注意が必要かと思います。もちろん当該修士号のあと、日本のCPA試験の免除対象の大学院で博士号を取得できた場合は対象になると考えられますが、博士号まで考えると、ちゃんと日本のCPA試験を受けた方が安上がりだとは思います・・・。

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