ACCAとCFAの難易度を比較することは非常に難しいですが、金融業界では概ねCFA≧ACCAという見方の方が若干強いと思われます。ただし、それぞれ試験によって異なる要素が含まれており、個人の経験や背景(いわゆる得意分野)によっても異なる評価がされることがあります。
ACCAの難易度
ACCAは、広範な会計スキルと知識をカバーする資格です。
試験は各科目ごとに段階的に進み、実務経験や学位の要件を満たす必要があります。試験の合格率は科目によって異なりますが、一般的には合格率が比較的高い傾向(科目と回数によって異なりますが概ね30~70%で推移)があります。ただし、ACCAの試験は特に最後の2科目(プロフェッショナル科目)については、実務に基づいたケーススタディや応用問題が含まれており、総合的な理解と応用能力を要求されるため、十分な準備と学習時間が必要です。特に最終の2科目は、それまで11ないしは12科目合格した受験者がチャレンジしての合格率30%となるため、前半科目の高い合格率と単純に比較してみることはできません。
CFAの難易度
CFAは、投資分野に特化した専門的な知識を提供する資格です。CFAの試験は3つのレベル(Level I、Level II、Level III)に分かれており、各レベルには幅広いトピックや実務に基づいた問題が含まれています。CFAの試験は非常に厳しく、合格率が比較的低いため(概ね40~50%台)、合格するためには長期間の準備と専門的な知識の習得が必要です。また、CFA試験は一年に一度のみ行われるため、試験の合格までに時間的な制約がある場合もあります。
個人的な難易度の感じ方は人によって異なるため、一概にどちらの資格が難しいと結論づけることはできませんが、CFAは特に資産運用業務を担っている、証券や銀行では極めて高い評価を得ることが多いです。
ACCAとCFAは、両方とも金融および会計の分野で専門的な資格を提供していますが、それぞれ異なる特徴と価値を持っています。どちらが価値が高いかは、個人の目標や職業の選択によって異なる場合があります。
この両者についてはいずれも一般的な資格に比べると難易度が高く、そもそもその受験者層の平均レベルが高いことが想定されます。つまり、例えば漢字検定の合格率とCFAやACCAの合格率を単純に横比較してもあまり意味がありません。
次にACCAとCFAの特徴をもう少し見てみましょう。
ACCAの特徴:
幅広い範囲の会計スキル:ACCAは、会計、財務、税務、監査など、幅広い会計スキルを網羅しています。国際的に認知された会計資格であり、グローバルなキャリアの範囲が広がります。
経営管理の側面:ACCAのカリキュラムは、経営管理や戦略的な視点も含んでおり、会計職のみならず経営職にも役立ちます。
柔軟性と実務経験:ACCAは、学位や実務経験などの要件を持っており、非常に実践的なスキルを身につけることができます。柔軟性も高く、学習の進め方や時間枠に合わせて進めることができます。
CFAの特徴:
投資分野の専門知識:CFAは、投資分野に特化した専門的な知識を提供します。金融市場、証券分析、ポートフォリオ管理などについて幅広い知識を獲得することができます。
グローバルな認知度:CFAは、投資業界で高い評価と認知度を持っており、特に資産運用や証券分析のキャリアを追求する場合に有利です。
専門性と難易度:上述部分と重複するところがありますが、CFAの試験は非常に厳しく、合格率も比較的低いです。CFAの取得には3つのレベルの試験を合格する必要があり、時間と努力を要するため、高い専門性を持つことができます。
価値の判断は、個人のキャリア目標や職業の選択によって異なります。会計および財務分野で広範なスキルと実践的な経験を求める場合は、ACCAが有用です。一方、投資分野や証券分析に特化した知識を追求したい場合は、CFAが価値が高いかもしれません。
いずれにしましても、重要なのは、自身の目標や興味、将来のキャリアパスに基づいて適切な資格を選ぶことです。また、業界や地域の要件やニーズも考慮する必要があります。最終的な判断をする際には、各資格の要件、カリキュラム、試験内容などを詳細に調査し、自身のキャリア目標と一致するかどうかを検討することが重要です。シンプルに考えると、証券・投資系に進みたいのか、会計系に進みたいのかによって分かれてきますが、ACCAの中にも証券分析やデリバティブ理論など、多くの部分の投資について学ぶことができますので、CFAだから会計はNGですとか、ACCAだから運用はNGとったことはなく、どちらも非常に親和性が高く、資格に合格しているだけでも一定以上の高い知識レベルが証明されるので、企業等においても非常に高く評価されます。
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